​粭島のひじきを支える人々

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鼓南地区の特産品といえば、

大島のみかん、粭島のひじきです。

今回は、そのひじきを獲って

地元の食堂に納めて下さっている方々に

お話を聞きました。

​高松百合江さん(82歳)、橋本クニエさん(76歳)。

とってもお元気で仲の良いお二人。

「仲良くはありません」

とわざとすました顔で言われましたが、

ひじきを獲る人がどんどん減る中、

何年も一緒に獲っているのですから

決して仲が悪いとは思えませんけどね(笑)

面白おかしく、

時には真剣な顔で色んなお話をして下さいました。

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ひじきを獲るのは想像以上に大変だと知りました。

​獲る時期は12月の最初の大潮の日から3月中頃まで。

それより先になるとひじきが長くなるし、色も悪くなり

ゴミや貝がつきやすくなる。

一番寒い時季の夜中に足場の悪いところで獲って

背負って道に出すのに3時間。

道に出す作業は何往復もするのでとてもきつく、

冬だというのに汗だくになるそうです。

よくする会の会長が

「そんなにきついのなら手伝わせてもらいましょう」

と言うと

「ダメダメ、危ないよ。けがをするよ。」

慣れてない人が歩くと転ぶ可能性があり、

冬だから濡れると尋常じゃなく寒いとか。

その言葉に30余年も獲り続けた人には

たとえ若くても敵わないと感じ入りました。

獲ったひじきを家に運んで水で洗い、

余計なものを取り除き、大鍋で何時間も煮る。

その後、干すのも大変で、

日が当たり過ぎてもダメ、当たらな過ぎてもダメ、

さらに風が吹いたら飛んで行くので

それを追っかけるのもまた大変。

大鍋を乗せる火床はドラム缶で作ってもらうのだけど、

もちろんそれにはお金がかかります。

しかも寿命は3年くらいと短い。

こんなに大変な思いをしてらっしゃるのを知ると、

ひじきを食べる時に

もっと有難く頂かないといけないなと思いました。

どの辺にひじきがついていそうかあちこち移動したり、

一連の作業をこなすには

長年の勘や慣れが必要なのでしょうかと問うと

「慣れだけじゃ出来ない。欲よ、欲」ときっぱり。

確かにそれは

人間の本質をついている言葉だと思いますが、

たいていの人にとって

口に出すのが憚られる言葉でもあります。

飾らずはっきり本音を言われる潔さ。

もともとの人柄と

長年頑張ってこられた故の自信と

誇りから出た言葉のように思えて、

感銘を受けました。

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粭島のひじきは柔らかくてどこに出しても喜ばれます。

でも、最近はお二人以外に獲っているのは

漁師さんでも4人くらいだそうです。

今は海のものもあまり獲れなくなっているので、

漁師さんの跡継ぎもいないとか。

ひじきにしても、

昨年は何カ所かある漁場の一部に

全くひじきがついていなくて、

収穫量が少なかったそうです。

「こんなことは初めてじゃね。

やっぱり水温が上がったせいかね。

わかめもウニも前ほどおらん。」

と、この時ばかりは

さすがに明るいお二人の顔が少し曇りました。

あって当たり前と思っていたひじきが

食べられなくなる日が来るのでしょうか?

何とか島の特産品として残していきたいものです。

よくする会として何が出来るのか?

何かしなければという思いを強くしました。

最後に

お話を聞かせて下さったお二人に

心より感謝いたします。

お二人のバイタリティに良い刺激を受けました。

​ありがとうございました。